トップページニュース360° 画像で⽣成する3D Gaussian Splatting

360° 画像で⽣成する3D Gaussian Splatting

SIGGRAPH 2023で発表された3D Gaussian Splattingは、不動産・建設・製造・自動運転など幅広い分野で急速に注目を集めています。
2026年現在、NVIDIAをはじめとする主要企業による研究・実装が活発化し、事実上の標準技術としての位置づけが模索され始めています。
本稿では、3月と4月の記事に続き、アヴァクシアアジアのXRエキスパート・吉永が、最小構成で動かすための基本ワークフローを実践的に解説します。


はじめに

データ統合・開発部の吉永です。

屋外などの⽐較的広範囲のシーンをGaussian Splattingで再現する⼿法が注⽬を集めています。
本記事では、これからGaussian Splattingを試してみたい⽅向けに、基本的なワークフローの最小構成をご紹介します。

本記事で紹介するツールは基本的に無料で利用可能(⼀部オプション機能は有料)なため、これからGaussian Splattingを始めたい⽅も気軽にスタートできます。

本記事の⼿順による作例


動作環境

PCスペック(構成例)

必須要件:ツールの実⾏環境のため、OSはWindowsである必要があります。

以下は動作する構成の⼀例です。

項目 環境例
OS Windows 11
GPU NVIDIA GeForce RTX 4070 SUPER
CPU AMD Ryzen7 8700G
RAM 32 GB

360° カメラ

以下のような360°カメラが利用可能です。高画質な結果を得るため、8K以上での撮影を推奨します。

  • Insta360シリーズ
  • RICOH THETAシリーズ
  • DJI OSMO360など

ソフトウェア(2026/04/07現在)

ソフトウェア 用途
LichtFeld Studio v0.5.1 3D Gaussian SplattingのGUIツール
360°Gaussian v1.4.0 Gaussian Splattingの各ステップを自動化するツール

全体の流れ

Gaussian Splatting では、一般的に以下の4つのステップを踏みます。

# 工程 内容
1 撮影 360°カメラでシーンを撮影する
2 SfM(Structure from Motion) 各画像がどの位置から撮影されたかを推定する
3 点群生成 SfMで得られたカメラ位置をもとに点群を生成する
4 Gaussian Splatting 点群をもとに3D Gaussian Splattingモデルを生成する

Step1. 撮影・動画のエクスポート

通常撮影と同じように、360° カメラでシーンを撮影します。処理時間が長くなる場合があるため、慣れるまでは1分以内の短い動画でテストすることをおすすめします。

撮影した動画データは、各カメラメーカーが提供するPC用アプリ等を使用してEquirectangular(正距円筒図法)形式 でエクスポートしてください。


Step2. SfMと点群生成

この手順では360°Gaussianを使用し、カメラの位置推定と点群生成を行います。

2.1 画像の切り出し

  1. 360°Gaussianを起動し、Add Video(s)からEquirectangular形式の動画を選択します。
  2. Splittingを選択し、画像の切り出し条件(フレーム間隔など)を設定します。

2.2 画像のマスク(オプション)

Gaussian Splatting の処理に不要な領域(人物や空など)を自動でマスクして除外します。必須の工程ではありませんが、マスク処理を行うことでカメラの位置推定精度や最終的な3Dモデルのクオリティ向上が期待できます。
マスキングが不要な場合はスキップして2.3 SfM の設定・実行に進んで構いません。

  1. AutoMaskerをクリックし、Use AutoMaskerをオンにします
  2. Detection Keywordsに除外したいキーワードを入力します(例:person.sky

2.3 SfMの設定・実行

360°Gaussian では、SfMやGaussian Splattingの学習に用いるツールを複数から選んで組み合わせることが可能です。ここでは、無料ツールの SphereSfMおよびLichtFeld Studioを利用する際の基本的なおススメ設定をご紹介します。

  1. Alignmentをクリックします
  2. Training MethodNo TrainingSfMSphereSFMに設定します
  3. Advanced SphereSFM Settingを開き、Presetからカメラの画像サイズ(例:Ultra(8K))を選択します

  4. Matchersequentialを選択します。その他の設定はデフォルトのままで問題ありません。
    (以下は設定画面の一例です)
  5. 各種設定が完了したら、StartをクリックしてSfMを実行します。
    処理が完了すると、画面下のコンソール窓にBatch Processing Completeと表示されます。

カメラの位置情報と点群が正しく生成されていることを確認してください。


Step3. Gaussian Splatting

3.1 データの読み込み

  1. LichtFeld Studioを起動します
  2. 上記で生成されたtrain_dataフォルダをウィンドウにドラッグ&ドロップします
  3. Load DataSetダイアログが表示されたらLoadをクリックします

点群と画像が正しく読み込まれたことを確認してください。
カメラ画像の表示が不要な場合は、画面右側のRenderingタブにあるCamera Frustumのチェックを外します。

⚠注意
読み込み中の場合はCubeの面に画像が表示されていない箇所があります。この状態でGaussian Splattingの学習をスタートさせるとLichtFeld Studioがクラッシュすることがあります。

3.2 トレーニング設定

  1. Trainingタブをクリックします
  2. StrategyMRNFを選択します
  3. Steps Scalerを適宜設定します(目安として、画像数が300枚以上の場合は画像枚数 / 300
  4. Max Gaussians(最大ガウシアン数)は基本的にはデフォルト値で問題ありません。

オプション設定:
Auto Maskerを使用してマスク画像を作成した場合のみ下記を設定します。

  • Mask ModeIgnore に設定
  • Use Alpha as Mask → チェックを外す

3.3 トレーニングの実行

  1. マウス操作で、トレーニングの経過を観察したいエリアにクローズアップしておきます
  2. Start Trainingをクリックしてトレーニングを開始します
  3. 最初はぼんやりとした表示ですが、ステップが進むにつれて徐々にクリアになっていきます。上限に達すると自動で終了します。

途中経過を保存しておきたい場合は、Save Checkpoint をクリックするとその時点の結果を記録できます。

3.4 生成結果の確認(作例)

参考として、本記事の手順を用いて実際に生成した Gaussian Splatting の3Dモデルを公開しています。以下のリンク(SuperSplat)から、ブラウザ上で直接操作して品質をご確認いただけます。


まとめ

本記事では、360°画像を用いたGaussian Splattingの一連の流れを簡易版としてご紹介しました。本記事の手順をベースにアレンジしていくことで、様々なシーンに応用することが可能です。

より詳細な設定項目や、もうひと手間加えてさらにクオリティを引き上げる方法については、以下の記事にて紹介していますので、あわせてご参照ください。

ぜひご自身でも様々な設定を試してみてください。

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