トップページニュースシングルボードコンピュータで作る自宅Kubernetesの紹介 1/2

シングルボードコンピュータで作る自宅Kubernetesの紹介 1/2

0.はじめに

データ統合・開発部の重田です。普段は、CI/CDプロセスの改善やメンテナンス、Kubernetes上でのツール導入支援、各種トラブルシューティングを担当しているDevOpsエンジニアです。

今回は、仕事以外の、昨年の冬頃から趣味として始めた、Raspberry Pi 4を複数台とRADXA ROCK 5Aで構成したミニPCクラスタについて紹介します。このクラスタは、最も性能の高いROCK 5Aをコントロールプレーンノードとして使用し、3台のRaspberry Pi 4をワーカーノードとして追加した、合計4ノードのKubernetesクラスタです。

1.「RADXA ROCK 5A」とは?

ROCK 5Aは、Raspberry Piと同じくクレジットカードほどの大きさに収まるシングルボードコンピュータです。最上位の5シリーズは、その処理能力がRaspberry Pi 5を超えるほどの性能を誇ります。また、ROCK 5Aはサイズや各種インターフェースの配置がRaspberry Pi 4と互換性があるため、ケースや一部の部品をそのまま使い回すことができます。

2.使用した機材

名称 個数 用途
Raspberry Pi 4 (8GB) 3 KubernetesのWorkerノード
RADXA ROCK 5A (16GB) 1 KubernetesのControl planeノード
Raspberry Pi 3 (1GB) 1 NASサーバ
HDD (1TB) 1 NASのストレージ
PoE+ HAT 4 Raspberry PiをPoEに対応させるアドオン機器
TP-Link スイッチングハブ 5ポート PoE+ 1 給電とネットワーク接続に必要
LANケーブル 6 各機器の接続に必要

3.ネットワーク構成図

ネットワークの構成図は、以下の通りとなります。

図1 自宅Kubernetesクラスタのネットワーク構成図


図2 実際のNASの写真

4.LAN内の構成

図中にあるPoE(Power over Ethernet)対応のスイッチングハブは、LANケーブル1本で各デバイスへのネットワーク接続と電力供給を同時に行える便利な機器です。これにより、各マシンにACアダプターを使った給電が不要となり、ケーブルの本数が減るため、配線をよりシンプルに整えることができます。

写真の機器が、いわゆる『NAS』で、Raspberry Pi 3にHDDを接続し、ネットワークストレージとしてLANに公開しています。Raspberry Pi 3とHDDはかなり昔に購入した機器のため性能は高くないですが、Kubernetesクラスタのデータ永続化用ストレージとして十分に機能しています。このNASには、各種データベースのデータディレクトリや、モニタリングツールで収集された時系列データなどが保存されています。

>>次号では、ミニPCクラスタにおける外部からのアクセス方法や、クラスタのモニタリング環境について解説します!お楽しみに!

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