データ統合・開発部の重田です。普段は、CI/CDプロセスの改善やメンテナンス、Kubernetes上でのツール導入支援、各種トラブルシューティングを担当しているDevOpsエンジニアです。
今回は、仕事以外の、昨年の冬頃から趣味として始めた、Raspberry Pi 4を複数台とRADXA ROCK 5Aで構成したミニPCクラスタについて紹介します。このクラスタは、最も性能の高いROCK 5Aをコントロールプレーンノードとして使用し、3台のRaspberry Pi 4をワーカーノードとして追加した、合計4ノードのKubernetesクラスタです。
ROCK 5Aは、Raspberry Piと同じくクレジットカードほどの大きさに収まるシングルボードコンピュータです。最上位の5シリーズは、その処理能力がRaspberry Pi 5を超えるほどの性能を誇ります。また、ROCK 5Aはサイズや各種インターフェースの配置がRaspberry Pi 4と互換性があるため、ケースや一部の部品をそのまま使い回すことができます。
名称 | 個数 | 用途 |
---|---|---|
Raspberry Pi 4 (8GB) | 3 | KubernetesのWorkerノード |
RADXA ROCK 5A (16GB) | 1 | KubernetesのControl planeノード |
Raspberry Pi 3 (1GB) | 1 | NASサーバ |
HDD (1TB) | 1 | NASのストレージ |
PoE+ HAT | 4 | Raspberry PiをPoEに対応させるアドオン機器 |
TP-Link スイッチングハブ 5ポート PoE+ | 1 | 給電とネットワーク接続に必要 |
LANケーブル | 6 | 各機器の接続に必要 |
ネットワークの構成図は、以下の通りとなります。
図中にあるPoE(Power over Ethernet)対応のスイッチングハブは、LANケーブル1本で各デバイスへのネットワーク接続と電力供給を同時に行える便利な機器です。これにより、各マシンにACアダプターを使った給電が不要となり、ケーブルの本数が減るため、配線をよりシンプルに整えることができます。
写真の機器が、いわゆる『NAS』で、Raspberry Pi 3にHDDを接続し、ネットワークストレージとしてLANに公開しています。Raspberry Pi 3とHDDはかなり昔に購入した機器のため性能は高くないですが、Kubernetesクラスタのデータ永続化用ストレージとして十分に機能しています。このNASには、各種データベースのデータディレクトリや、モニタリングツールで収集された時系列データなどが保存されています。
>>次号では、ミニPCクラスタにおける外部からのアクセス方法や、クラスタのモニタリング環境について解説します!お楽しみに!