あらゆる業務が円滑に進むように、PMO(Project Management Office)がPM(Project Manger)の方針のもと、現場を調整し、どれだけ働きやすいように支援することができるか、がプロジェクトの成功の鍵を握っている、と言っても過言ではありません。
今回の記事は、Jr PMOからConfirmed PMOへ、どのように資格取得やスキルアップを重ねて、プロジェクトに参画していったかをご紹介します。
1)PMO業務に従事しようとしたきっかけやPMO業務の経験を積むためにしたアプローチについて
前職の経験を活かせるインフラエンジニア職を志望していました。しかし、面接時のやり取りの中で、「PMOのほうに適性があるのではないか」との提案をされ、PMOとして採用されました。当時は恥ずかしながらPMOという職種についての知識がほとんどなく、アヴァクシアに入社を決めたときから、一から学んでいきました。
採用通知を受けてから、PMOという職種について知識をつけるため、書籍やインターネットを活用し、まずはPMOの役割や業務内容を学び、入社までに備えました。
プロジェクト参画当初は、先輩PMOの業務の進め方を参考にしながら経験を積みました。その後、プロジェクトの進捗状況やメンバーそれぞれの特性を理解できるようになった段階で、チームメンバーがより理解しやすく、かつ業務を円滑に進められるよう、自分なりの方法へと改善を重ねていきました。
新しい取り組みを実施する際には、必ず事前に先輩方へ相談し、アドバイスをいただいたうえで進めることを心掛けていました。その結果、顧客からの依頼があった際に、その業務に対して、適材適所に内部メンバーにアサインし、PMの意向に沿ったアサインができるようになるなど自身の判断に対する自信をつけることができただけでなく、過去の経験に基づく助言を取り入れることで、新たなアプローチがプロジェクトやチームに悪影響を及ぼすことなく、円滑な業務遂行につなげることができました。
この経験を通じて、未経験の分野であっても主体的に知識を習得し、周囲の意見を取り入れながら改善を進める姿勢を身につけることができました。
2)PMO業務とはどのような業務なのか、また、どのようなところにやりがいを感じるか。
主にプロジェクトへアサインされ、プロジェクトが円滑に進むようPMをはじめ、社外・社内メンバーのプロジェクト運営・管理業務を担当しています。
社外向けの業務としては、言語だけでは伝わりづらい内容を図に起こして、可視化し、エンジニアによる技術的な説明を顧客に分かりやすく伝える支援や、障害発生時における定期報告のサポートを行っています。また、定例会議の資料作成や議事録作成、必要に応じて会議の司会進行も担当しています。さらに、顧客との調整窓口として問い合わせや課題の整理を行い、関係者間の認識合わせを支援しています。
社内向けの業務としては、チーム全体が円滑に業務を遂行できるよう支援しています。業務プロセスの管理・調整、タスクの進捗管理および適切な役割分担の調整、社内定例会議の司会進行などを行っています。また、プロジェクト全体のスケジュール管理、課題管理、リスク管理を実施し、問題の早期発見と対応策の検討を推進しています。加えて、各種管理資料の作成・更新や進捗状況の可視化を通じて、PMの意思決定を支援しています。
そのほか、プロジェクト全体の品質の向上を目的として、顧客への日々の回答や提出書類など、顧客の目に触れるものすべてを弊社の成果物と位置付け、その成果物の品質管理を担保するため、レビュー調整や品質管理プロセスの運用支援に加え、関係部署との調整業務も担当しています。
技術的な内容はシニアメンバーに必ず確認してもらいます。PMO側のチェックは、規定のフォーマットが適切に使用されているか、顧客からの質問に的確に回答できているか、また、日本人の顧客の視点で違和感のない表現になっているかを確認します。ある文化圏では常識とされることでも、別の文化圏では不自然に受け取られることがあります。そのため、こうした認識のすり合わせは、多様な文化的背景を持つメンバーが集まる外資系企業ならではの場面かもしれません。
プロジェクトの状況を正確に把握し、関係者へ適切な情報共有を行うことで、プロジェクト推進の円滑化に貢献しています。
PMOとして業務を始めた当初、外国籍メンバーに日本の習慣や顧客対応の考え方を理解してもらうことに苦労しました。
例えば、顧客から依頼されたタスクに期限を設定した場合、日本では期限までの間に定期的な進捗報告を行うことが一般的です。進捗状況を共有することで顧客に安心感を与えられるだけでなく、万が一期限に間に合わない可能性が生じた際にも、早い段階で対策を検討することができます。
しかし、こうした日本特有の仕事の進め方や顧客とのコミュニケーションの重要性を外国籍メンバーに理解してもらい、実践してもらうまでには時間を要しました。継続的に背景や目的を説明しながらサポートを行った結果、メンバーも自主的に進捗報告を実施するようになり、顧客とのコミュニケーション品質が向上しました。以前は、顧客からの質問に弊社側が回答すると、それに対して再度顧客からフォローアップの質問をいいただく、ということが発生していました。その改善として、私が顧客からのメンバーへのフィードバック、メンバーの回答内容のレビューから、想定される追加質問まで見据えた回答を作成できるように調整しました。このようにフォローアップ対応を通じて、私自身の技術的な理解も深めることができました。また、メンバーが顧客の意図を先回りして必要な情報を盛り込んだ回答を作成できるようになり、技術知識の向上にもつながりました。最終的には、顧客からのフォローアップの質問を50%削減することができました。このことをきっかけに、顧客からの信頼もさらに高まり、プロジェクト運営を円滑に進めることができました。
また、もう一つ苦労した点として、社内向けの依頼事項は顧客対応と比較して優先度が下がりやすく、期限までに対応してもらえないことでした。私自身、メンバーが多忙な中で業務を遂行していることを理解していたため、リマインダーを送ることに対して遠慮してしまうことがありました。しかし、依頼事項が完了しなければ私自身の業務も進めることができず、対応が遅れているメンバーとのチャットがリマインダーで埋まってしまう状況となっていました。
この状況について同僚に相談したところ、「メンバーはPMOの役割を理解しているため、期限管理のためのリマインダーを遠慮する必要はない」というアドバイスを受けました。その言葉をきっかけに、期限管理やフォローアップはプロジェクトを円滑に進めるための重要な役割であると認識できるようになり、必要なタイミングで適切に働きかけを行えるようになりました。
その結果、メンバーとの良好な関係を維持しながら期限遵守率の向上につなげることができ、私自身の業務も円滑に進められるようになりました。この経験を通じて、相手への配慮とプロジェクト管理のバランスを取りながら、必要な場面では主体的に働きかけを行うことの重要性を学びました。また、多様なバックグラウンドを持つメンバーと協働する中で、相手の文化や価値観を理解しながらコミュニケーションを取る力も身に付けることができました。
3)PMO業務で取得した資格や Jr PMOからConfirmed PMOになるために行ったことは
現在は、業界で広く認知されているプロジェクトマネジメント関連の資格(ITIL,COBIT)を取得し、実務で培った経験とインシデント管理やプロセス管理などの体系的な知識の両面からスキルを高めています。今後も継続的な学習を通じて、さまざまなプロジェクトに柔軟に対応できるPMOを目指していきたいと考えています。また、常に向上心を持ちながら、チームの品質向上に貢献できるよう、改善施策の提案やイニシアティブの推進に積極的に取り組んでいきたいと考えています。
PMOとして成長するために、先輩方が実践している進捗管理や関係者との調整方法、会議運営のテクニックを積極的に学びました。単に知識として理解するだけではなく、自分自身で実践し、自然に使いこなせるようになるまで繰り返し取り組むことを意識しています。その結果、状況に応じて適切な手法を選択しながら、プロジェクトを円滑に進めるための対応力を身につけることができました。
また、これまでの経験を通じて、プロジェクトごとに規模や体制、顧客の要望、メンバー構成などが大きく異なり、同じ進め方が必ずしも通用するわけではないことを学びました。そのため、実務経験だけに頼るのではなく、プロジェクトマネジメントのベストプラクティスを体系的に学ぶことも重要だと考えています。
4)PMO業務の重要性が高いといわれている点について
今後、PMO業務の一部については、AIの活用によって大幅な効率化が進むと考えています。例えば、議事録の作成やタスク期限のリマインド、進捗状況の集約といった定型的な業務は、AIによる自動化や支援が可能です。そのため、これまでこうした作業に費やしていた時間を削減し、より付加価値の高い業務に注力するためにも、AIは積極的に活用していくべきだと考えています。
一方で、PMOの役割は単に情報を整理し、共有することだけではありません。会議で決定した事項の進捗を継続的に確認し、関係者間の認識のずれを防ぎながらプロジェクトを前進させることが求められます。また、各メンバーの状況や課題を把握し、適切なタイミングでフォローや調整を行うことも重要な役割の一つです。
こうした業務には、相手の立場や考え方を理解した上で信頼関係を構築するコミュニケーション能力や、多様な関係者の利害を調整する能力が必要となります。特に、プロジェクトにおいては表面的な情報だけでは把握できない背景や感情が存在するため、現時点ではAIだけで代替することは難しいと考えています。
また、顧客が信頼を寄せるのはAIそのものではなく、そのサービスを提供する人や組織です。PMOは顧客とプロジェクトメンバーの間に立ち、双方の期待や課題を理解しながらプロジェクトを円滑に推進する役割を担っています。そのため、AIを活用して業務効率を高める一方で、人だからこそ発揮できるコミュニケーション能力や調整力、課題解決力が武器であるPMOという職務は、重要、かつ、プロジェクトには欠かせない役割だと思っています。
5)AvaxiaでPMO業務に携わって達成できたことは
PMO業務に携わることで、プロジェクト全体を俯瞰しながら情報を整理し、複雑な内容を分かりやすく要約して関係者へ共有する能力がさらに向上しました。また、進捗管理や課題管理を通じて、関係者間の認識を統一しながらプロジェクトを円滑に推進することの重要性を学びました。
チーム全体で行う作業にあたっては、事前準備の段階から関係者との認識合わせやタスク管理を徹底し、想定されるリスクの洗い出しと対応策の検討を行いました。その結果、作業当日は事前に策定した計画どおりに進行し、大きなトラブルや手戻りを発生させることなく、各メンバーが自身の役割を確実に遂行できたため、無事に今までのプロジェクトを完了することができました。
また、関係者間の連携を円滑に行い、各工程の進捗を適切に管理したことで、当初、ロールバック(変更作業に問題が発生し、変更前に戻す作業)も含めて10時間を予定していましたが、その計画より約3時間、作業時間を短縮できました。予定より早く、安定した状態で作業を完了できたことから、顧客からは「安心して作業を任せることができた」「スムーズに対応してもらえて助かった」といった評価をいただいたことはチームにとって大きな自信となりました。